SPDとは?
SPD(Surge Protective Device=避雷器)とは、雷によって起こる、電気・電子機器の故障を防ぐものです。
工場やビル、電柱など様々なところに設置されており、普段は見えない所で社会を守っています。
なぜ雷が落ちると、機器が故障するのか?
雷の電流は非常に大きく、落雷の影響により、その周辺には「雷サージ」と呼ばれる短時間で一時的に発生する異常な過電圧、過電流が発生します。
発生した雷サージは電源線や通信線を通って建物内の電気機器に侵入し、機器に被害を及ぼします。 この雷サージによる影響は落雷した地点から、数km先にまで及ぶことがあり、すぐ近くの落雷でなくても被害をもたらす可能性があります。
ポイント

全ての回線ケーブルを抜けば良い?

単に電源を切るだけでは雷サージを遮断できないので、対策になりません。
もっとも簡単に雷の被害を防ぐ方法は、雷サージの通り道をすべて遮断してしまうこと。
つまり「電源コンセントを抜く」「通信ケーブルを抜く」などの対策が一番有効といえます。
しかし、様々な電化製品やインターネットと繋がり続ける現代において、落雷の度にそれらを抜き差しするのは言辞的ではありません。そんな状況で活躍するのがSPDなのです。
避雷針と避雷器(SPD)の違い
避雷針があれば雷から機器が守れる、というのは間違いです。 避雷針の役割は、雷による建築物の破損などを防ぐことであり、工場内の機械や、オフィスの電話、など建物内の電子機器は守ることができません。
これらの建物内の電気・電子機器を雷サージから守るためにはSPD(避雷器)が必要です。
「分電盤用SPD」
「信号回線用SPD」
ポイント
・避雷器(SPD)・・・機器を雷から守る
雷によって発生する被害総額
雷の被害総額は年間1000億~2000億※といわれています。 近年の電気・電子機器はマイコン化や高集積化、ICT化が進み、常に雷害リスクにさらされています。
電源ケーブルの焼損や、一見、故障と判別しづらい集積回路の破損など、被害は多岐に及びます。