雷サージの侵入経路
一般的な避雷針は、わざと避雷針に雷と落とすことで建築物と人命に被害が及ばないようにするものです。
建物の中にある電子機器を守ることは出来ません。
下図のように、工場内には制御盤・通信など様々なネットワークが存在する為、雷サージの影響を受けやすい施設の一つであると言えます。
雷サージが侵入する経路は、大まかに次の4か所です。
- 電源線
- アース線
- 通信線
- 避雷針
雷サージから守るには
雷サージは「過電圧」「過電流」となって電源線や通信線などから電子機器に侵入し故障・破壊を引き起こします。
それを防ぐため、侵入経路にSPDを設置します。
SPDが雷サージの経由地点となることで、電子機器を「過電圧」「過電流」から守ります。
「電源用SPD」「通信用SPD」など、それぞれの侵入経路に対して最適なSPDを設置します。
雷サージの侵入ルートの96%が不明
雷サージ(誘導雷)はどこから侵入したのか不明な場合が多く、被害内容も一般故障と見分けがつかない場合がほとんどです。
そのため、雷対策を実施するうえで、専門家による診断が欠かせません。
雷被害の見分けがつかない原因としては、被害の多くが基板のわずかな損傷など、機器内部の絶縁破壊のため、機器の外観に影響が出にくいことがあげられます。
機器の不具合が雷サージに起因するのかどうかは、雷による専門家によって現地調査を行い、雷サージが原因の場合は雷サージの侵入ルートを判断し、対策を講じることが重要です。
事前に雷カウンターを設置することで雷サージの侵入ルートを特定しやすくなります。
雷カウンターには「直撃雷用のカウンター」と「誘導雷用の雷カウンター」の2種類があります。
被害の実態がつかめないからこそ、雷対策の専門家による的確な診断が必要です
雷対策は施設全体で考え、建物の立地や電気配線など、様々な条件によって対策方法が異なります。当社は雷対策をシステムで考え、全ての案件に対して、最善の雷対策をご提案します。
雷専門の技術者によって雷の侵入経路や被害状況を徹底究明し、設計から施工、メンテナンスに至るまでのすべての過程において、最適な雷対策を実現します。
①ご相談ください
電気設備の雷保護、外部・内部雷保護、接地極システムなど、全ての雷対策に対応します。
②コンサルティング・現状調査
お客様並びに設備・什器の安全を第一に、雷被害の要因となる問題点(設備環境・気象環境など)を確認します。必要に応じ、現地による調査を実施します。
③対策設計・提案
確認結果を基に、コストメリットと安全性を考慮した投資効果の高い対策設計を行い、ご提案します。
雷被害を受けやすい設備とは
自動火災報知機設備や電話設備、監視カメラなど、配線長の長い設備は雷サージの影響を受けやすいため優先して、対策を行います。
電気機器・電気設備は雷サージに弱くなっています。原因は、機器の高集積化とネットワーク化です。
省エネルギー化、電気部品の高密度化が進み、小さな電圧で動く製品は雷サージの影響を受けやすくなっています。また、ICTの発達により、さまざまな機器がネットワークで繋がるため、雷サージの侵入経路も拡大しています。
上図はICチップの変遷です。1975年の基板は1線の幅が太く、配線と配線の間に距離があったため、絶縁が保たれていましたが、最近の基板は配線が細く、配線や部品が密集しています。
絶縁距離が短くなった分、従来では影響のなかった雷サージに対しても配線間や部品間で放電しやすくなり、結果的に雷サージに対して脆弱になりました。
ICチップだけでなく、基板全体が省エネルギー化、高密度化により、雷サージに対して弱くなっています。
現地調査:事例
雷サージ侵入の原因究明や配線やSPDや避雷針の設置場所を確認します。